2010年3月8日月曜日

なぜ薬剤師でなければ医薬品を取り扱ってはいけないのか

井上晃宏(医師、薬剤師)
一般に、技術の進歩は、それまでの専門技術者を不要にする。
薬剤師が医薬品を取り扱うのは、歴史的遺制。
薬剤師は、「単なる販売や調剤業務から脱して、医薬品情報業務に進出しつつある」などと言われることがある。
店頭でレジを打ったり、薬のシートをハサミで切って袋に詰める作業だけでなく、医師の書く処方箋を監査したり、医師のコンサルトに答えたり、患者に服薬指導をしたり、医薬品情報収集(DI業務)をしているというのである。
 ところが、依然として、OTC販売(第一類)や調剤業務は彼らが独占している。
薬剤師の職能を正当化するために、薬科大学では無意味な教育が続いている。
「高学歴者を単純作業に張り付けている」状況を改善するには、古典的な薬剤師の職能を一般人やテクニシャンに明け渡し、「高度な仕事」に職能を絞れば良いが、日本薬剤師会や薬科大学などのロビイングがそれを許さない。大半の薬剤師は、「高度な仕事」なんかしていなくて、「レジ打ち、袋詰め」で食っているのだ。

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